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山口市秋穂の農舎改修

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昨年より工事を進めていた山口市秋穂の農舎の工事が完了しました。既存納屋の一部を作業場に改修し、その隣の老朽化した倉庫を建替えてリフレッシュしています。
1枚目画像の左が家屋と納屋、右の平屋が既存倉庫でした。

改修する前の既存納屋部分。

住宅的につくられた部分を納屋として物置にしている状態でした。

物置になっていた納屋をリノベーション。外から使いやすいように土間コンクリートの床にして、流し台を設けています。痛みが少ない天井はそのままとし、壁は作業場なので湿気にも耐えるケイカル板で明るく仕上げています。

既存の天井と白い壁のコントラストが感じ良くなりました。棚板やベンチなどはラフに使えるように針葉樹合板で造りました。照明器具もLEDの器具に付け替えています。

改修した納屋の隣に倉庫を新しく作っています。庇を1.5m伸ばし、改修した作業場と雨に濡れずにつながるようにしました。

倉庫内部の様子。室内は針葉樹合板12mmを張り、耐力壁兼耐火被覆としています。7m×11mの倉庫を外周部以外柱無しでつくりました。屋根を支える梁はスパン7mとなり、成(高さ)が最大510mmのものを使っています。特注にはなりますが、このくらいのサイズの建築であれば木造でも十分造ることが可能です。当たり前ですが、部材の選定や接合方法、耐力壁の設定などはきちんと構造計算を行っています。前述した庇もふつうに1.5m伸ばすのは難しいので、庇の強度を計算し、根拠をもったかたちでつくっています。

写真にはありませんが天井の一部にロフト的な床を貼りました。
針葉樹合板24mmを設置して物置としてつくりましたが、構造的にも水平構面の負担という重要な役割を担っています。この建物のような外周部にしか耐力壁のない建築は屋根・床といった水平構面が非常に重要です。この水平構面を設けることで建物の強度は格段に上昇します。昨日の熊本の地震のような揺れがあったとしても、耐震的な計算根拠がある建築と勘でつくった建築では安心度が違います。有事の時でないと明確にはならないことですが、構造設計の仕事は建物を使う人の幸福度を間違いなく高めているとこのたびの地震で改めて感じました。